魚が笑う!!???
魚が笑う!!???
皆さん、魚が笑うと聞いて信じられますか?
勿論私達のようにゲラゲラとは笑いませんが・・・
和歌山県の最南端、潮岬の磯にアシカという紀伊半島でも1、2を争う
名礁が在ります。
そこに水族館と呼ばれる一級ポイントがあります。
最近は黒潮の流れが変わり、往年の賑わいはありませんがその昔は大変な人気磯でした。
水族館はオーバーハングになっており、足元から水中を覗き込むとその名の通りまるで水族館のように
大型のグレが泳いでいるのを見ることが出来ました。
太郎と花子と名付けられた80~90cmもあろうかという大型グレが乱舞するさまは壮観の極みで、
身震いさえ覚えたことを思い出します。
ある日、何気なく水中を見ていると刺し餌を見つけた60cmはあろうかと思われる大型グレが猛スピード
で泳いできました。
撒き餌に乱舞し餌を食みまくっているグレが、刺し餌の手前数センチの所でピタッと止まるのです。
何とか食わそうと撒き餌を打ち、その中に刺し餌を入れるのですが、何度しても同じことで、針に刺
した餌は食べません。
ハリスを細くすれば食わせられるのですが、それでは糸を切られ釣り上げることが出来ません。
何度かこのような事を繰り返していたところ、奴は相変わらず刺し餌の手前で止まり、挙句の果てに上目使い
にこちらを”ジロッ”と見るのです。
「お馬鹿な釣り人さん、その手には乗りませんよ!」とあざ笑われてい
るようでした。
毎日毎日沢山の釣り人が渡礁し、大量の撒き餌を撒くのですから自然の中にいる奴とはいえ、いつでも餌に
ありつけるいわば飼い付け状態の中で、仲間が釣り上げられるのを沢山目撃し学習を積んでいったのでしょう。
老かいでこうかつな奴は、水中から毎日釣り人をあざ笑っていたのでしょうね。
最近は、潮流が変わり奴を見ることは出来ませんが、願わくば今一度逢ってみたいものです。
勿論竿を出さずに、
餌だけを撒いて・・・・ ネ。